日経 2015.9.27

人材という意味では、一橋大学教授の楠木建氏(週刊東洋経済9月12日号)は、洋の東西を問わず、最も希少性のある経営資源は、優れた経営者であると指摘する。楠木氏は、優れた経営者が持つセンスは、具体と抽象を往復することで育まれるという。ビジネスでの具体的な課題や解決法を、抽象化した論理に置き換え、物事の本質を理解する。優秀な経営者は、物事に接すると背後にある抽象的な論理をみる。起きている現象は新しくても、抽象的論理は変わらない。今の成熟した日本企業は、分業体制が敷かれ、商売を丸ごと見る機会が極端に少ない点で、優れた経営者が育ちにくいという。それを乗り越え、どう人材を確保するかが、問われよう