今朝の新聞記事。
多様性は善だが、コンフリクトのリスクが高まる。それを抑えるのは、多様性の上にかぶせる組織理念であるという話だが、付け加えると、多様性と規模が組織全体にとっての分配可能利益を生み出すという事だろう。とはいえ、記事にあるように、互いにこれだけは共有できるという何らかの最大公約数的理念がないと組織はバラバラになってしまう。
この共有理念が第一義的に何のためにあるかといったら、個々のコンフリクトの解消のためであるので、ある程度高度に抽象的な自由度の高い理念である必要がある。具体的な規則の類は、わかりやすいが往々にしてその適用範囲は限られ、結局は多くの適用外が生じ、そこに個人判断の恣意性が入り込む弊害を生む。ここら辺の理念創案、つまり利害調整のためのルール設定の筋の良しあし判断は、おそらく直感的なもので(理屈は説明するために後からつけるものであろう)、よりシンプルな美しさが感じられるものであることが必要なように思える(そういったものは、結果的に自由度が高く適用範囲が広いことに後になって気付く)。